御宿町の漁業は、小型の漁船に乗って沖へ出かけ、魚やスルメイカを釣る漁船漁業と、沿岸の海で刺し網を使い、イセエビを漁獲する刺し網漁業、素潜りでアワビやサザエを捕るあま漁業が主となっています。
漁獲の対象は、以前はカツオやスルメイカが大半を占めていましたが、これらが少なくなり、現在はキンメダイが主となっています。
また、現在では廃止しましたが、漁協が潜水夫を雇い、船から潜水夫にホースで空気を送り込んで潜水によりアワビを漁獲する潜水器漁業もおこなわれていました。
ここでは、エビ網漁(刺し網によるイセエビ漁)と潜水器漁の様子をご紹介します。
エビ網漁の網掛け操業
午後3時過ぎの御宿漁港。刺網を仕掛けるために漁船が続々と出てきます。
これがイセエビを捕るための刺網。イセエビは夜行性のため、午後に網を仕掛けて翌朝未明に引き上げます。
イセエビの住む海底の岩場に帯状に網を仕掛け、夜の間にエサを求めて動き回るイセエビを絡め取るのです。魚やサザエも捕れます。
ただいま午後3時半の出漁時刻まで待機中。網を仕掛ける場所は早い者勝ちなので、スタート時刻が決まっているのです。
漁船が一斉にスタート!それぞれが目指す方向へ全速力で突っ走ります!
あの船はどこへ行くのか!?他船が狙う場所も気になります。
お父さんが巧みに船を走らせ、お母さんが流れるような手さばきで網を海中に流し込んでいきます。
頻繁に急旋回するので写真を撮る私も海に落ちないよう必死です。
一丁上がり!これは網の両端につけたウキです。
もう片方の端には目印の旗と明かりがついています。網を引き上げるのは明日の午前2時半。たくさん捕れますように!
潜水器漁業とは(御宿岩和田漁業協同組合の漁業自営事業)
当組合の自営漁船は、船名 八塩丸(やしおまる)という 総トン数9.87トン 90馬力の漁船で、潜水夫3名と、船長や船上の作業員で操業していました。
潜水士はヘルメット潜水といって船の上からポンプで空気を送り込んでもらいながら交代で海底に降り、アワビやサザエを漁獲します。黒アワビやメガイアワビのほかにマダカアワビが獲れ、特にマダカアワビは干鮑(かんぽう、ほしあわび)の原料として高値で取引されました。
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